企業がクラウドサービスを利用する際、運用してみると下記のような様々な問題が出てくることが予想されます。事前に確認できることには先回りして対策しておきましょう。
・業務に合うクラウドサービスを選定し、コストについて
財務会計、経理、人事管理、給与計算、税務申告、グループウェア、セキュリティ対策、販売管理、プロジェクト管理など様々なクラウドサービスが提供されています。クラウドサービスで提供されている機能が業務範囲に対して不十分であれば、それを補うためにまた別のサービスを利用する必要が生じ、重複してコストがかかる場合もあります。
・クラウドサービスで取扱う情報の管理レベルについて
個人情報をクラウドサービスで取扱う際、個人情報保護法に基づき、委託先の適切な監督義務が生じる可能性があります。
・セキュリティ上のルールとクラウドサービスの活用の間に矛盾や不一致について
顧客情報など社内における情報管理についてセキュリティルールがある場合、それをクラウドサービスへ保存してもルール上の矛盾が生じないか、事前に確認、調整しておく必要があります。
・サービス停止等に備えて、重要情報を手元に確保して必要なときに使えるための備えについて
クラウドサービスはインターネットの向こう側にあるものです。万が一、クラウドサービスが一時的にでも停止した場合に、どの連絡先に問い合わせをすればよいのか、事前に確認しておきましょう。サービスが止まってからでは、社内各署からひっきりなしに問い合わせがはいるなどして、あたふたしてしまうことになりかねません。
・クラウドサービスを提供する事業者の信頼性について
これも大事です。信頼性の低い事業者であれば、セキュリティ対策が不十分で容易にデータが外部流出したり、トラブル時の対応がずさんになってしまう可能性もあります。
・サービスの稼働率、障害発生頻度、障害時の回復目標時間などのサービスレベルについて
たとえば、企業がクラウドサービスとしてグループウェアを使っている場合、クラウドサービスが止まってしまうとそのまま業務が止まってしまうおそれがあります。事前にサービスの稼働率、障害発生頻度、障害時の回復目標時間が公開されているか確認しておきましょう。
・クラウドサービスにおけるセキュリティ対策について
クラウドサービスに保存されたデータが暗号化して保存されているか、サービスへのログインには二段階認証が導入され不正ログインを排除できる仕様になっているかなど注意が必要です。
・サービスの使い方がわからないときのサポート体制について
業務で使う以上、使い方がわからない際のサポートも重要になります。一部のクラウドサービス事業者は、サポートがメールだけ、もしくはテキストチャットだけで提供されている場合もあります。電話によるサポートが受けられるかもチェックしておきましょう。
・クラウドサービスの提供が終了した際のデータの取扱いについて
クラウドサービス提出事業者がサービスを終了した際、それまでに蓄積されたデータはどのように取り扱われるのか事前に確認しておく必要があります。CSVなどのエクスポートして利用できるのか、それとも一切引き継げる方法はないのか、とても重要になってきます。