SD-WAN製品で、最も注目されてきたのは「ハイブリッドWAN」機能だ。これによって、専用線をはじめとするプライベートWANサービスの利用料金を、積極的に減らせる可能性が生まれる。 これまでの「WAN最適化」製品では、専用線などの高価な通信サービスを通るトラフィックのデータ圧縮、キャッシング、送信処理効率化などを通じて、アプリケーション単位のQoS確保や帯域幅の有効利用を図っていた。SD-WANでは、アプローチを変えて、「企業向けIP接続サービスなどのパブリックWANサービスに、相対的な重要度の低いアプリケーションのトラフィックを積極的に逃がす」手段を提供している。 具体的には、企業の各拠点に専用のネットワーク機器(あるいは仮想マシン)を置き、遠隔拠点と本社(あるいは企業データセンター)間の通信を、アプリケーションに応じて振り分ける機能を提供(振り分けの粒度などについては、製品間で違いがある)。これによって、例えば重要な社内業務アプリケーションへのアクセスはプライベートWANサービスを通すが、各拠点から社内ファイルサーバやクラウドサービスへのアクセスは、パブリックWANサービスを通すといったことができる。この仕組みを導入することにより、ユーザー組織は自社におけるプライベートWANサービスの利用状況を確認しながら、契約帯域幅を絞ることができる。
参考:http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1608/03/news043.html