上記の通り、本来の意味は「法医学的な」「犯罪科学捜査の」「法廷の」という意味を持つフォレンジックですが、コンピュータ分野で使われる場合は、デジタル環境と装置から法廷に提出するデジタル証拠データを収集・分析することを意味します。
1991年にアメリカ・ポートランドのIACIS(International Association of Computer Investigative Specialists、国際コンピュータ捜査専門家協会)で開設された教育課程で「デジタルフォレンジック」という言葉が初めて使われ、1990年代中盤になって広く使用されるようになりました。2000年代に入ると、国家別にデジタルフォレンジック標準が確立され、国家機関を中心にデジタルフォレンジック政策の樹立や新技術に対する研究が始まりました。
21世紀になり、デジタルフォレンジックはコンピューターを利用した不法行為だけではなく、インターネットやネットワーク等を目標としたサイバー攻撃を予想し、攻撃に備える適切な手順の為にデジタルな証拠を収集して法的効力がある証拠を確保、そして裁判へ提出するという、一連の過程を含むようになりました。
また「デジタルフォレンジック」は他にも「コンピュータフォレンジック」、「コンピュータ法科学(computer forensic science)」とも呼ばれたりします。(以降は「フォレンジック」として統一します)