通常であれば、「ハッカーが不正に商品を購入しても、ハッカーの住まいに届けられるのだから、警察がそこに行って逮捕すればいいじゃないか」と指摘したくなりますが、ハッカーは巧妙です。
ハッカーは商品の送り先として、普段、空き家にやっている家を指定したりします。時間指定で商品を届けさせ、ハッカーは受取の時だけその家に移動して、商品を受け取ります。
商品を受け取る際も、1つだけの商品を受け取るのでは「うま味」がないため、事前に商品を大量に購入しておいて、ごく短時間のうちに大量の商品を受け取って、次の場所、次の人にターゲットを移動します。
このように、不正アクセスの手口が巧妙になり、警察も逮捕できない事案が多数発生しております。
オンラインショッピングのように商品が「物理的」に配送され「動く」場合は、まだ、逮捕しやすいですが、仮想通貨やインターネットバンキングなど、商品が「物理的」は「動かない」場合は、逮捕がよりいっそう困難になります。さらに、攻撃元が海外にあり、外国人が日本にいる日本人をターゲットにしてきた場合は、さらに逮捕が困難になります。
これを受けて、大手のオンラインショッピングサイトや、インターネットバンキングは、かなり迅速に対応をしてきます。
具体的には、一部の大手オンラインショッピングサイトでは、二段階認証を導入し、パスワードが流出しても、ハッカーが不正にログインできないように二段階目の認証コードを要求するなど、新しい仕組みを用いて利用者の安全を確保しようとしています。
同様にクレジットカード会社でも対策を進めています。
オンラインショッピングサイトなどで、クレジットカードが不正に使用された可能性がある場合は、クレジットカード会社がクレジットカード所有者本人に電話をかけてきて「×月×日に○○サイトで△△が購入されていますが、お心あたりがありますか。」と確認することで、不正アクセスを事後的に対応するシステムを導入している場合もあります。
技術の進歩とともに、サイバー犯罪の手口も高度化、巧妙化していきますが、利用者の心がけと対策を事前に講じておくことで、多くの場合はサイバー犯罪を事前に防ぐことができます。