EDR、XDR、およびMDRの定義:脅威の検出および対応を支える要素を理解する

EDRとXDRはどちらもそれ自体で影響力をもつテクノロジーです。MDRと組み合わせることで、これらのソリューションは可視性と効率が一段とレベルアップします。

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組織において重要なビジネスリーダーやステークホルダーとの対話を促進し、意思決定に情報を提供するために最初にすべきことは、組織全体のセキュリティプロトコルを構成している主たる要素を理解することです。よくあるセキュリティソリューションとツールに対処する際に参考になる事項について説明します。

最新のセキュリティオペレーションセンター(SOC)で最も効果的な取り組みを期待するには、あらゆるサイバーセキュリティソリューションと、それらの相互連携・相互補完について深く理解する必要があります。セキュリティの専門家は、ソリューションのもつ機能と利点における微妙な違いをコントロールし、スマートかつ的を射た決定を下すことができなければなりません。EDRとXDRはどちらもそれ自体で影響力をもつテクノロジーです。MDRと組み合わせることで、これらのソリューションは可視性と効率が一段とレベルアップします。

EDRとは?

エンドポイント・ディテクション&レスポンス(EDR)は、2つの機能を組み合わせたものです。ひとつ目は、エンドポイントデータのリアルタイムな監視を継続しデータ収集する機能、ふたつ目は、ルールベースの自動応答および分析機能です。PCやプリンター、携帯電話やタブレットまで、多様なデバイスと接続先のネットワークを保護することは、今日のセキュリティ基準を満たすための第一歩にすぎません。

これらのアラートにどう対処するかは、チームがEDRソリューションの採用や更新をする際に考えるべき重要事項です。アラートはどのようにトリアージされるでしょうか?そして誰が対応しますか?このプロセスはどのように文書化されていますか?これらの答えを考えることは、既存のEDRソリューションを、さらに包括的なツールとソリューションで強化するための良いきっかけとなるはずです。次の3つの要素に対抗するためには、一段上の保護が必要となります。1つ目は、攻撃者が常にあらゆる方法で攻撃を仕掛けていること、2つ目は労働環境の変化、3つ目はDXの取り組みによって高度に分散されたネットワークへの影響です。

詳細:EDRからXDRへの進化:その方法と重要性(ウェビナー)

XDRとは?

XDR(Extended Detection and Response)は、ネットワーク・クラウド・エンドポイント全体でデータを可視化し、エンドポイントと環境全体における高レベルでの保護に自動化と分析を適用する働きをします。

XDRは、実質的にEDRが進化した形です。Forrester社は、XDRは例えば次のようなものだと述べています。「セキュリティ関連のエンドポイント検出を、ネットワーク分析と可視性(NAV)、電子メールセキュリティ、IDおよびアクセス管理、クラウドセキュリティなどのセキュリティツールやビジネスツールを出所としたテレメトリと一体化します。これはビッグデータのインフラストラクチャ上に構築されたクラウドネイティブプラットフォームであり、セキュリティチームには柔軟な対応力・スケーラビリティ・自動化がもたらされるでしょう。」

環境が複雑になるにつれて、システムの可視性を格段に向上させるために、ネットワーク、エンドポイント、そしてクラウドデータを統合することがますます必要になっています。 XDRソリューションがどれだけロバスト(堅牢)であっても、それはセキュリティ体制の一部にすぎません。対応チームを関与させる前に、収集結果を分析・調査することが必要です。

MDRとは?

マネージド・ディテクション&レスポンス(MDR)サービスは、高度な分析・脅威インテリジェンス・インシデントの調査と対処における人間の専門知識を組み合わせて、既存のセキュリティ投資を最適化し、組織外の脅威インテリジェンスだけでなく、異種のテクノロジーが見出した洞察を収集します。継続的な監視と深い専門知識によって、プラットフォームは適切に展開され、戦略的に運用され、適切に維持されます。これらは、効率的に働きたい社内ITチームにとっては負担がかかるものかもしれません。経験豊富なMDRプロバイダーと協力することで、サイバーセキュリティのアプローチは事後対応型から事前対応型に移行しています。これにより、攻撃を受けた際の対応に違いが生まれます。

EDR、XDR、およびMDRは、今日の重要なサイバーセキュリティソリューションであり、将来のデータエコシステムの持続力に影響を与えるものです。それらの製品の長所と短所を理解した上で、製品を階層化し、既存の環境に構築する場合でも、あるいはソリューションやサービスを新たに開始する場合でも、どちらにおいても言えることです。

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※ 当記事は、Trustwave(トラストウェーブ)社のブログからの転載です。

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