御システムとは、電力、ガス、水道、鉄道などのインフラや、石油、化学、鉄鋼業等のプラントにおける監視・制御に利用されるシステムです。機械・食品等の工場の生産・加工ラインなどでも多くの企業に利用されています。制御システムでは、多くのパソコンやサーバが稼働しているのが実情です。
ここ数年、サイバー攻撃の標的が移り変わってきており、これらの制御システムが狙われるケースが増えてきました。
以前は、サイバー攻撃の対象と言えば、企業の業務システムやウェブサイトが主で、そこに入っている個人情報や企業秘密を盗み出すために攻撃されることが多かったのですが、ここ数年、サイバー攻撃の対象として工場や発電所、その他インフラの制御システムが狙われ、大きな被害を出すケースが目立っています。
海外の事例では、ブラジルの製鉄所内発電所、アメリカのガスインフラ、アメリカの鉄道、サウジアラビアの石油化学プラントなどで、実際に被害が出ています。
これらの工場や発電所、その他インフラ内で動いている制御システムはSCADA(Supervisory Control And Data Acquisition)と呼ばれ、SCADAのセキュリティ対策の見直しが急務となっています。
これから4回にわたって、SCADAセキュリティ向上のための取組みや、海外の取組みをみていきます。