あらゆる場面で、適切な設計の採用が重要であることは言うまでもありません。オフィスのデスクや最先端の人間工学に基づくチェア、アプリのUI、精巧なデバイスやOSに至るまで、適切に設計された製品は、最大限の機能を引き出しながら各種の支障を最小限に抑え、最高のユーザーエクスペリエンスを提供します。これはクラウド対応ネットワークにも当てはまります。複雑なコンポーネントで構成されているクラウド対応ネットワークをシームレスに運用するためには、適切な設計が不可欠です。しかも、ネットワークが進化し、複雑性が増すほど、一層重要になります。設計が適切でなければ、追加コストやシステムの再設定が必要だったり、ビジネスニーズに対応できない劣悪なネットワーク環境になったりと、さまざまな問題が発生する恐れがあります。
クラウド対応のネットワーク設計は、決して容易ではありません。また、期待と現実が必ずしも一致するわけでもありません。例えば、1つのネットワーク設計図ですべてのビジネスニーズを満たせると考える人もいますが、理想的なシステムを実装するためには、それぞれの要件に合わせたカスタム設計が必要です。
また、オーバーレイだけを優先するのではなく、アンダーレイも適切な設計によって統合し、最適な可視性と管理性を確保しなければなりません。誤解されていることが多いのですが、ネットワーク要件は市場によって異なります。従って、個々の規制環境やさまざまなインフラに対応したネットワークを構築する必要があります。
完全に最適化されたクラウド対応のエンタープライズネットワークは、現在および将来の組織の多様なニーズと変化するビジネス需要に対応できる俊敏性、柔軟性、迅速な拡張性を備えるとともに、データセンター、マルチクラウド、インターネット間においてセキュアで信頼性の高い接続を提供できなければなりません。また、ネットワークとセキュリティサービスを単一のクラウドプラットフォームに統合して、スムースにアクセス・監視できるようにする必要があります。
ここでは、クラウド対応ネットワークの構築にあたって考慮すべき3つの重要な設計原則をご紹介します。