IoTに求められるネットワークテクノロジー
コネクテッドカーのIoTアプリケーションで使用される通信には、他の車両や道路、および交通インフラ、セルラーネットワーク、クラウド、他のデバイス、および歩行者と通信するために、ワイヤレスネットワークが用いられます。IoTアプリケーションにはそれぞれ、独自のネットワーク接続要件により決められた設定があります。また、ネットワークテクノロジーにはそれぞれ、長所と短所があります。
利用可能なワイヤレスネットワークテクノロジーには、長距離セルラー(3G、4G、5G、LPWAN)ならびにWi-Fiなどの専用短距離の2種類があります。Wi-Fiは一般的ですが、依然として信頼性とセキュリティに課題があります。そのため、低電力ワイドエリアネットワーク(LPWAN)などの長距離セルラーネットワークの人気が高まっています。LPWANは、データを大量に消費しない低帯域幅のIoTアプリケーションに最適です。LPWANテクノロジーで利用できるネットワークは数多くあり、中でも、ナローバンドIoT(NB-IoT)とカテゴリーM1(Cat-M1)を優先する動きがあります。これらのネットワークテクノロジーは両方とも3GPPで標準化されています。確立されたエコシステムによってサポートされているため、迅速に展開・拡張でき、地域内のネットワークプロバイダー間での相互運用が可能です。
NB-IoTは、単純なIoTデバイス向けに設計されています。低遅延かつ小さい断続的なデータ送信が求められるもの、例えばパーキングセンサーといったデバイス向けです。低コストで消費電力も少なく、カバレッジが困難な領域で高い信頼性を示しています。一方、LTE-Mとしても知られるCat-M1は、NB-IoTを補完するテクノロジーであり、長距離間で少量から中量のデータを転送するには理想的です。今日ある2Gおよび3GIoTアプリケーションの代替として、必要十分な速度の帯域幅を提供します。
一方、3G、4G、5Gなどの長距離セルラーネットワークテクノロジーは、信頼性の高いブロードバンド通信を提供できる反面、運用コストと電力要件が高くなります。これらはバッテリー駆動のセンサーネットワークには適していませんが、ユビキタスで高帯域幅のセルラー接続に依存しているため、インフォテインメントシステムやトラフィックルーティング、ドライバーアシスタンスシステム、フリートトラッキング、管理システムなどのアプリケーションに最適です。
次世代の5Gネットワークでは、広帯域幅、低遅延、大容量などの利点を生かして、完全自動運転車の開発が進むことが期待されています。5Gによって速度、遅延、信頼性、および電力消費を改善しながら、同時に多数の接続をサポートできるため、IoTが進化するにつれて5Gの機能が重要視されるようになります。一方で5Gを介して接続されるデバイスがはるかに多くなるため、攻撃に対する脆弱性が高まる恐れがあります。したがって、ネットワークへの脅威を軽減するためには、優れたIoTセキュリティプラクティスが必要です。