Webサイト運営者が行うべき脆弱性対策とは

昨今、Webサイトを狙った被害は増加しており、その要因の1つに脆弱性が挙げられます。Webサイト運営者が行うべき脆弱性対策について解説します。

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昨今、Webサイトを狙った被害は増加していますが、その要因の1つに脆弱性が挙げられます。一方、Webサイトへの攻撃手法が新たに発見されるなどにより、脆弱性のない完璧なWebサイトを構築することは非常に難しく現実的ではありません。

ここでは、Webサイト運営者が行うべき脆弱性対策について説明します。なお、脆弱性については、「代表的な10種類の脆弱性」をご参照ください。

Webサイト運営者が脆弱性に対して行うべきこと

一般的な企業におけるWebサイトにおいては、脆弱性を突いたWeb攻撃による情報漏洩といった被害が増加しています。実際にそのような被害が生じた場合、現場は混乱することが予想されます。従って、Web担当者は、事前に対策を準備しておくことが大切です。適切かつ迅速な対応により、企業・利用者共に被害の拡大を防ぐことができます。

脆弱性が発覚した場合には?

まず最初に、脆弱性が発覚してから対策までの大まかな流れを把握しましょう。

脆弱性の発覚は、ネットショップなどのWebサイトを実際に運営しているシステム運営者からの連絡により発覚する場合や、サイト利用者からの連絡により発覚する場合があります。脆弱性が疑われる連絡があれば、脆弱性の有無について迅速に調査を行います。その調査内容に基づき、脆弱性の影響を考え、今後の方針を検討したうえで、実際の作業内容を策定します。そして、必要に応じ脆弱性修正プログラムを作成し、テストを行った後に、修正プログラムを適用します。場合によっては、脆弱性に関わる内部・外部の関係者や、サイト利用者との間に、連絡窓口を設置することが必要です。また、サイトの運営形態によっては、運営事業者に情報を渡して相談する必要もあるかもしれません。

さらに、Webサイト運営者として、被害拡大を防ぐためWebサイトを停止するという決断をどのタイミン グで行うのか、被害事実の公表も行うのかなどについても、冷静な判断が行えるよう、事前に判断基準等を考慮しておくと良いでしょう。

以上をまとめますと、脆弱性に対する対策の流れは、以下のようになります。

1.脆弱性について発見者より連絡を受け取る

2.脆弱性の有無について調査

3.脆弱性の与える影響と対策の方向性を検討

4.脆弱性の対策作業を策定

5.脆弱性修正プログラムのテストと実施

6.修正完了の報告

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脆弱性の対策後は?

脆弱性への対策を実施することで、Webサイトが安全に保たれるという保証はありません。Webサイト運営者として今後もたらされる可能性のある被害を防止できるよう、引き続き継続して対策をも検討する必要があります。

 

まず、Webサイトの脆弱性の原因に関する調査結果や行なった対策の実施経過などを考慮し、今後、Webサイトを運営する上で起こりえるトラブルを予測します。それに基づいて、ウイルスなどの駆除や監視強化などの処置、Webシステムの変更などの対策をとります。

また、脆弱性対策マニュアルを作成しているのであれば、定期的に内容を見直し、必要に応じてマニュアルを修正する必要があります。

終わりに

Webサイトの脆弱性を放置しておくと、情報漏洩といった被害を被る可能性があります。そのような被害を最小限に抑えるためにも、あらかじめ対策を準備しておくことが重要です。

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