シンガポール、10月1日– シンガポール・テレコム(シングテル)は本日、チュア・ソックン氏が2021年1月1日をもってグループ最高経営責任者を退任することが決定したと発表しました。シングテルの取締役会は、ユエン・クアンムン氏を後任のCEOに任命しました。
シングテルのシンガポール消費者向け事業の最高経営責任者(CEO)兼最高デジタル責任者を務めるユエン氏は、1993年にグループに入社しました。マーケティング、事業開発、営業、インドネシアのTelkomsel(テルコムセル)でリーダーシップを発揮した後、2012年にシンガポール消費者向け事業のCEOに任命されました。社内外の候補者を考慮した幅広い調査が行われた結果、ムン氏が次期グループCEO(GCEO)として任命され、チュア氏の退任に伴ってGCEOに就任します。チュア氏は会長の上級顧問として残り、リーダーシップの移行を支援します。
シングテルのリー・セングキアット会長は、「取締役会を代表し、ソックンのリーダーシップの発揮とシングテルへの多大な貢献に感謝します。」と述べました。
「ソックンはシンガポールで最も成功したCEOの一人であり、シングテルを今日のような事業面や財務面で強力な会社にする上で重要な役割を果たしました。シングテルがまだ法定機関であった時に、ソックンは企業化、市場上場、シンガポールの市場規制緩和、地域化にわたってシングテルを率いてきました。シングテルはソックンのリーダーシップの下、オーストラリアのOptus(オプタス)をそのポートフォリオに加え、インド、インドネシア、フィリピン、タイの主要電気通信事業者すべてに資本参加し、アジア全域に比類のない足場を築きました。2012年、ソックンは、中核事業である電気通信事業のデジタル化や新規デジタル事業の拡大など、デジタルトランスフォーメーションをグループを率いて推進しました。これによって、グローバルなサイバーセキュリティ事業は規模を拡大し続けています。ソックンはまた、NCSのICT部門を活用した強力なエンタープライズビジネスを展開しています。ここ数か月、ソックンは5G投資計画でチームを率い、シンガポールでの5Gサービスの提供を約束するだけでなく、電気通信とテクノロジーが融合した世界における成長のためにシングテルを再構築しました。」
「ソックンの人々に対する信念は、女性の成長を支援し、上級管理職や成熟した従業員の、多様で包括的な労働力を育ててきたことに見られます。ソックンの能力開発の強みは、取締役会が内部の後継者候補を選ぶことを可能にする優れた経営基盤を作り出しました。ソックンは、次の段階で成長する準備が十分整った状態でグループを去ることになりますが、スムーズなリーダーシップの移行を確実にするために引き続きシニア・アドバイザーを務めることは、我々にっても幸運なことです。」
「シングテルの成長と変革に関わることができたことは大変光栄でした。驚くべき31年であり、そのうちの13年はGCEOを務めてきました。」と、チュア氏は語っています。
「当社は、規模の大きな独自の地域プレゼンスを持っていることを誇りに思います。また、この地域全体で競争が激化していますが、スマートフォンの普及とエンタープライズビジネスの発展が指数関数的に増加し、アソシエイトの成長が促進されると予想されるため、当社の地域資産と多角化に対する長期に渡るポジティブな見方は変わっていません。また、シンガポールでの市場リーダーシップの維持や、同地域のパートナーとの関係、そして、NCSが地域的に拡大し、サイバービジネスが世界的に拡大し続ける中、企業向けビジネスの進展にも満足しています。」
「私は、ドットコム企業の破綻、世界金融危機、インドの競争問題など、いくつかの世界的な危機を目の当たりにしてきましたが、これらの嵐やビジネスの課題に私たちが立ち向かった姿を誇りに思います。シングテルの強さは社員の回復力にあると私はいつも言ってきましたが、今回のコロナ禍の危機も乗り切れると確信しています。」
「シングテルが将来に向けて有利な位置にいる今、私は、引退するのに良い時期にあり、消費者向けビジネスの経営と成長への不断の取り組みによって仲間や同僚から尊敬されているムン氏にバトンを渡すことができて喜ばしく思っています。ムン氏は経営陣の一員として、ビジネスのあらゆる分野に関わり、重要な業務上の意思決定に深く関与してきました。また、提携会社Telkomsel(テルコムセル)の成長にも幅広く貢献しており、テルコムセルで5年間上級管理職を務め、製品開発と商業を推進し、2009年からはテルコムセルの理事会のメンバーを務めています。ムン氏の実績あるリーダーシップ能力と、急速に変化するテクノロジーとビジネス状況に適応して競争に打ち勝つ能力は、シングテルの次の成長段階に大いに役立つでしょう。」
リー氏は、ユエン氏の任命について、「1月にムン氏のような優秀なリーダーがグループのCEOに就任することを私たちは嬉しく思っています。長年にわたって同社の中核事業である電気通信事業で磨き上げた経験を持ち、最近ではグループをデジタル化して成長させることに注力していることから、混乱の時代においてシングテルを前進させる上でユエン氏は非常に適任です。私と同僚の役員は、彼と一緒にシングテルグループのビジネスを成長させ、発展させることを楽しみにしています。」と、コメントしています。
ユエン氏は、任命されるにあたって、「ソックンは奮起させるような高いハードルを設定しており、私はシングテルの成功のために全力を尽くします。5Gは電気通信業界だけでなく、あらゆる業界の企業にとってゲームチェンジングであり、このエキサイティングな時期にシングテルを率いる機会を与えられたことを私は光栄に思っています。小売業、企業、政府機関のお客様や、国際的なビジネスパートナーの皆様の利益のために、このような変化を活用するべく、同僚とさらに幅広く協力することを楽しみにしています。」と、コメントしています。
ユエン氏は、西オーストラリア大学で工学の第一級優等学位を、スタンフォード大学で経営科学の修士号を取得しています。